旅 「恐山」 -151-
恐山は、どうみても尋常な場所ではありません。
硫黄の臭いが、周囲一帯に立ち込めています。よく賽の河原とか、殺生河原とか名づけられた場所がありますね、宇曽利湖の周辺は、全てがそんな雰囲気でした。
会社に入ってから間もなくの頃の、夏休みの東北旅行で立ち寄りました。青森県の下北半島にある霊場です。
その日は曇天でした、夕方に近い頃でしたから、霊場としてのムード満点でした。バスを降りると誰もいません。前日、宿泊予約していた宿所に、先ずはチェックイン。宿泊する部屋は、何十畳もある大広間でした。
ともかくは・・まず散策、宇曽利湖は硫黄が溶けているのでしょうか、青く妙に美しかったです。そこそこの場所に石が積まれ・・、あの硫黄の臭いが充満、人は殆どおらず・・、決してオーバーでなく、この世とは思えない雰囲気でした。
安普請ですが、堂々たる広さの部屋には、裸電球が灯っていました。ここに寝るのは私一人・・のようです、他に宿泊者がいたかどうか分かりません。ここの宿所は大祭かなんかの時に、参拝者の方が利用されるところなのでしょうね。それにしても寂しい・・。
例のごとく、安い宿所でしたから、料理内容は質素だったのでしょうね・・覚えていませんけど・・、多分一人っきりだった「夕食」のあと・・、温泉に入ることにしました。
当時、ここには4ヶ所、温泉小屋があるとのことで、いつでも勝手に入りなさい、とのことでした。下駄をはいて、その一つに出かけました。小さな薄暗い小屋の中に、湯船があり、やはり硫黄泉でした、今、思い出しても、いい「湯」でしたね。
ただ只管(ひたすら・・こういう言葉を使いたがるのが年寄りのイヤなところです)、長い時間入っておりました、石鹸なんか何もなく、ただ湯につかるだけ・・。
私はあまり「長湯」のタチではないのですが、この時は違いました、何せ、部屋に帰っても、テレビもないし、同宿の話相手もいません・・、何より「湯」がいいし・・。
・・と、誰かが入って来た様子、雰囲気から、女性だと思いました、何か躊躇されている雰囲気が感じられ・・。どうしようか、と思いましたが、三呼吸くらいあけて、「どうぞ、よろしかったら・・」と申し上げました。しばしの緊張の時間の後、スーッとその女性(多分・・)は出ていかれました。
ホッとしたというか、残念というか・・、気持ちを切り替えて、その後もまた、思いっきりノンビリしたことでした。
さっき「「ウィキペディア」をみたら、現在は「男湯」「女湯」の指定が一ヶ所ずつあるみたいです・・、ヒョットして当時もそれがあったのでしょうか・・。でも宿所の人は、そんなことは、何も言わなかったし、「女湯」なんていう表示はなかったです・・(誓って)。
その夜、部屋の中も硫黄臭がプンプンしていましたから、これは、何か、不思議というか、恐いというか、そんな夢をみるかもしれないな、と思いましたが、何せ若さいっぱいの、強行軍の日程のせいか、間もなく熟睡しました。
異次元空間の出来事だったような・・、懐かしく思い出す場所の、一つですね。

この記事へのコメント
人生ゆっくりさんが温泉入浴中に、女性が入浴してきそうになったのは、イタコが呼び寄せたのかも知れませんね。
恐山は日本三大霊山、三大霊場、三大霊地のいずれにも入っている唯一の場所だそうですから、一度行けば霊験あらたかだったことでしょう。
それにしても日本国中よくあちこち歩かれたものですね。
「三大~」、そんなにあるんですか。
よく一人で行かれましたね こわ~~
入浴中に 入ってきた人は もしかして
。。。霊。。。きゃ~っ
でも 怖いもの見たさに 一度行って
みたいです。
今、宮部みゆき「あかんべえ」を読んでいますが、お化けは「怖いけども一度は見てみたい」です。
しかし、上の写真、見るからに恐ろし気な、おどろおどろしげな、いかにもなにかが出そうな気配が満ち満ちてますね・・・・。帰り道、肩が妙に重くなかったですか?(笑)
今でも、ここはこんなふうなのでしょうか? イタコの口寄せとかもやってるのでしょうか?
霊というやつは存在するような気がしてるのですが、はて?霊とお化けは違ったっけな?
「日本霊山紀行(全10巻)」というVTRをもっています(何でこんなものを買ったんだろう?)、改めてこれをみたら、恐山には、広い駐車場ができて、建物も殆ど建て替えられているようで、大分、変わってみえます。
人が多く来るということは、それだけ漂う怨霊も増えているかもしれませんから、夜は一層賑やかかもしれませんよ、ゾー・・。
「霊とお化け」?・・、また難しいことを・・。
恐山、わたしも家族旅行で行きました。
20年ほどまえかしら。
朝5時ごろ、到着。(ご想像下さい)
あの、トルコブルーの宇曽利湖、わすれられない色ですね。
風車がまわる場内、ことばもない感じでした。
そのあと、仏が浦にまわり、林道で奥薬研につっきろうとして、ガソリンがなくなり、ほんと死ぬかと思いました。
奥薬研温泉は、露天が混浴だったように思います。あそこ、キャンプ場もあるんですよ。
さすがに、その勇気は・・・
でも、怖い思いをしたのは、あそこだけではありません。それはまた・・・
5時到着とは、またスゴイです。
私は翌日、仏が浦をみて、脇野沢から青森まで船で行き、その夜に「ねぷた」をみました。
「薬研」というのは、名前からも興味をそそられます。