映画「閉鎖病棟」 -1978
私にとって7月以来の「映画」です。この間に強烈に観たいという映画がなかったこともありますが、何かと気ぜわしい用事があり映画に目が向きませんでした。
この映画の上映も、そろそろ公開が終わりの時期でしたので、観客は5名だけでした。
絞首刑のシーンから映画は始まります。
ところが、何ということでしょう、手順通り死刑が執行されたのに、死刑囚は死亡してなかったのです。
今、とある病院の精神科病棟で彼(笑福亭鶴瓶)は、焼き物を作りながら生活しています。
病院内ではいろいろな人間模様が展開されていきます。
原作の帚木蓬生は精神科医ですので、そのあたりを原作本で生々しく描いているのでしょう。
監督・脚本の平山秀幸は、いつも通り丁寧に映画化していました。
帚木蓬生は医事に関する著作が多いですが、他の作家では書き切れない事柄を描き切ります。私も一時期、かなりの本を読んだ覚えがあります。
この映画の物語は、鶴瓶と綾野剛・小松菜奈を軸に進んでいきます。鶴瓶は、いつも「ややオーバーな演技」が気になりますが、今回は抑えていましたね。綾野剛はサスガです、小松菜奈は名前を知っていただけでしたが、なかなかの好演でした。
勝手な感想ですが、出演者がこの映画に共感しつつ演じているように感じました。
もうすぐ公開も終わるでしょう、今更ですが「お奨め」します。終盤は少し涙が滲んでしまいました。
この記事へのコメント
鶴瓶さんが主役なので、やはり関西弁になりますね。原作は北部九州弁のはずですが。その他種々設定が違った場面はあったけど、普段は入ることのない、閉鎖病棟の患者の様子、家に帰り家族と暮らしたいという気持ちが良く画かれていたと思います。
沢山の著作があるのに、映画化されたものは比較的少ないです、なかなか映像化が難しいのでしょう。